なんと!37年ぶりのドローイング
アーチストになる気はまったくないし、なれる才能ももちろんありません。
でも美術館に行く度に、なんだか自分も何か描きたくなって、アパートから徒歩6分のところにあるThe Art Students League of New Yorkのドローイング・クラスに通い始めました、週2回の夜間ですが。
国吉康雄が学び教えたファインアートの学校。
フィアデルフィア美術館でご紹介した私の好きなサイ・トゥンブリも22歳の時ここで勉強しています。
歳が分かってしまいますが、ドローイングは10代の後半から20歳くらいにかけて描いたのが最後で、なんと37年ぶり。
6月第一週の水曜日、チャイナタウンの学割の効く安い画材店で買ったスケッチブックと日本から持ってきた黒のダーマートにブラウンの色鉛筆を持って一路アートスクールに。
6:15PM、アシスタントと思われるちょっとモジリアーニ似の男性が “最初は4分50秒から” と言うと、モデルがポーズをとり、そのモデルを囲む20人ほどの生徒たちがいっせいに描き始めました。
“う、う、ぅ・・・まずい~、描、描けな~い。えぇ~、どうしよう”
なんてうろたえている間に4分50秒が経ち “はい、次のポーズ” とまたアシスタントの声。
でも、3ポーズ、4ポーズと描いていくうちに、37年前に学んだことのいくつかが甦ってくるんですねぇ。体で覚えているっていうか、脳みそから右手の指先にその記憶が送られてくるっていうか・・・。10代に覚えたことは忘れないっていいますが、ほんとうですね。
少しずつ思い出してきたドローイングのタッチ
ちょっと慣れてきた4ポーズ目の頃、先生が入ってきました。たぶん70代と思われる男性ですが、彼の教え方、私初めてです。トレーシングペーパーのような透けた紙のスケッチブックを持って来ていて、生徒のドローイングの上にそのペーパーを置いて、なにやら説明をしながらどんどん直していくのです。
線描きの人には線で、シャドーで表現している人にはシャドーで。決して生徒の作品に直に描き込みません。
生徒には、この人現役アーチストかしらと思わせるような人から、まったく今日が始めてという人までいろいろ。先生はどの人にも丁寧に真剣に、何か質問されれば時間を惜しまず指導していました。だからアシスタントの脇の隅っこで描いていた私の番まで回ってきませんでした。ちょっとがっかり。だって先生は2日に一度しか来ませんから。でも原因は私にあるのかも。実は時間ぎりぎりに行って、席はそこしか空いていなかったのです。
最初ビビった3時間15分はあっというまに終了しました。
ところで、何の拘束もないアートスクールなのですが、宿題が出されていました。椅子を描いてくる宿題が。前からこの先生のクラスを受けているとても感じの良い日本人の生徒が教えてくれたんです “今日の宿題は椅子ですって。いっぱい描いてくればいっぱい教えてくれるわよ!”って。 “えっ、宿題?!”
そういえば先生が一生懸命椅子を触りながら話していたけど、あれは宿題の説明だったんだ~。ああ、私の英語力は相変わらず伸びていない!10代の頃に英語も勉強しておくんだったとマジ反省。ま、しょうがないですね、高校生のとき一番嫌いな科目でしたから。
それにしても6月の夜、レストランやバーが賑わうミッドタウン・ウエストの大通りを、スケッチブック片手にアートスクールに向かうと、なぜかとても開放的で満ち足りた気分になります。
通りに面したお洒落なレストランからは、ドレスアップして食事する男女の幸せそうな光景が目に入ります。が、しかし、最近の私はこういった光景を目にしてもまったく羨ましいと思わなくなってしまいました。これってどうなんでしょう・・・
2日目の休憩時間に学校内の画材売り場で2B,4B,6Bの
ドローイング用鉛筆とブラウンのパステルを購入。
やっぱり線が柔らかく描けます。気分いいです。
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